| 問診 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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問診とは、疾病の発生や発展、治療経過、現在の症状、他の疾病との関連などを知るために、病人や病人の付き添いに質問することをいいます。
問診は臨床上重要であることはもちろん、四診の中でも重要な地位を占めます。病歴、自覚症状、既往歴、家族歴など疾病に関するあらゆる情報を得られるのは問診だけです。これらの情報をもとに、病情を分析し、病位を判定し、病性を把握して、弁証論治の拠り所とします。注意しなければならいないのは、病人自身が話すことはみな主観による症状で、情志や素因と疾病の関係などの客観性は欠落しやすいので、如何に聞き出すかが重要となります。同時に、尋ねる側が目的意識を持ち、病情の筋道を探ることに重点をおいて、病人の主となる病気を訊く必要があります。そのため、歴代の医家は問診に重きを置きました。
問診において、最初に尋ねなければならないのは、主となる病気についてです。その後、その病気の進行状況など詳細について尋ねます。そして、熱意と責任のある真摯な態度で問診に臨み、些細なことまできちんと聞きます。病人のいうことに共感し、和やかで親しみのある話し方を心掛けます。妄りに専門用語を用いることなく、相手が解りやすい言葉で、理解できるよう辛抱強く説明します。このような問診ができる者にのみ患者は信頼をおぼえ、心を開いて詳細を話してくれるのです。病人のいうことが曖昧で解りづらい場合には、如何に聞き出すかが重要となりますが、問診する側の主観を押しつけたり、暗示に掛けるようなことをしては、正しい情報を得ることができなくなります。また無闇に病人を刺激したり、落ち込ませたりしないようにし、病人が病気に打ち勝つことができるよう配慮します。重病人の場合は、緊急のため重点のみをチェックし、落ち着いてから再度不明な点を問診します。厳しすぎる要求や、問診に手間取ると、救急処置の妨げになるので注意します。
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| 必須項目を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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病人の氏名、年齢、性別、婚姻、民族、職業、出生地、現住所などは最低限必要な項目です。これらをカルテに記載しておくと、病人の診察や治療に責任が持て、便利で診断の参考になります。例えば、乳幼児、青壮年、老人は体質が異なりますが、年齢を訊くことで身体の強弱や薬量を的確に判断することができます。性別によっても特徴的な疾患があります。女性の場合は、月経、おりもの、妊娠、出産を訊くことで婦人科疾患を考慮でき、また他の病気であっても参考にすることができます。職業が病気の原因になることもあります。水中で作業する仕事の場合は湿邪を受けやすく、珪肺症や鉛中毒のように特定の職業において発症しやすい疾患もあります。出生地や現住所を訊くことで、地域特有の疾患を知ることができます。
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| 生活習慣を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 生活習慣とは、病人の生活状況、飲食の嗜好、運動や休養、生活のリズムなど生活全般を指します。これらは病気を診断に際して重要な意義があります。肉体的あるいは精神的な状況、また経済状態などは、病気に一定の影響を与えます。毎日楽しく生活していれば、気血は調和し、健康で病気知らずです。しかし、苦労の多い生活で、精神的にも負担が大きければ、気血が滞り、肝鬱気滞が起こりやすくなります。偏食五味は臓腑の気の異常な盛衰を招きます。熱いものを好んで、冷たいものを嫌がるのは陰気偏盛で、反対に冷たいものを好んで、温かいものを嫌がるのは陽気偏盛です。生活が大変で疲労が激しい場合は労傷病証が、逆に生活に余裕があってあまり動かない場合は、脾が失調して痰湿が多くなります。生活のリズムが崩れている場合は、いろいろな病気の原因となります。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 家族歴と既往歴を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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家族歴とは、病人の直系親族の罹患歴や健康に関する状況を指します。肺病や精神障害など、ある種の伝染性疾患や遺伝病の参考になります。 既往歴は、病人本人のこれまでの健康状態と罹患歴を指します。例えば、もともと肝陽上亢であれば中風になりやすく、精神障害があれば何らかの刺激により再発しやすいなど、現在の病気の診断に役立ちます。
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| 薬歴を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 薬歴とは、病人が現在服用している薬剤や、過去に服用したことのある薬剤に関する状況を指します。服薬により症状がある程度に抑えられていたり、反対に健康を害していたりすることもありますし、他の薬剤や食品との相互作用で症状が現れる場合もあり、現在の病状の参考になります。また薬剤だけでなく、健康食品なども影響を与える場合があるので、きちんと訊いておくことが大事です。例えば、偏陽なのに温性の薬剤を服用すると症状が悪化しますし、虚証の便秘であるにも関わらず、食物繊維を多量摂取していれば、ますます排便が困難になります。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 起病を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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起病(きびょう)とは、疾病の発生や発展、治療などの全課程のことで、病気を診察する上でも重要な意義があります。 発病原因を知ることで、疾病の性質を理解することができます。例えば、冬に外感風寒により発病した場合、多くは表寒証となります。情志鬱結により発病すれば、多くは肝気鬱滞を起こします。 病程の長短は、疾病の虚実を知ることができます。例えば、突然の耳鳴りの多くは肝火上炎気の実証ですが、徐々に発症する耳鳴りのほとんどは肝腎不足の虚証です。 治療の経過や効果は、弁証や用薬の参考になります。例えば、冷やすはたらきのある薬を服用した病人に効果が見られない場合、熱証でないと判断できます。反対に、温める薬を服用して症状が軽減すれば、寒証と判断できます。主症が脹満であっても、気を行らせて脹満を改善する薬で却って悪化するようなら、脾胃虚弱による消化不良で、実際は虚証と判断できます。 このように、疾病の全体像を把握することで、正確な診断が可能となるのです。 |
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| 現在の症状を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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現在の症状は、問診の主たる部分であり、弁証の重要な拠り所となります。中医学では、現在の症状を問うことを最も重要と考えるので、問診内容も詳細を極め、各症状に対する臨床的な意義は奥深いものとなっています。明代の医家・張景岳は、問診の重要な基礎を『十問歌』という形で残しました。後の人が更に手を加え、以下のような歌を完成させました。この歌は、実際に問診する際、大変参考になりますので覚えておくと便利です。 一に寒熱、二に発汗、三に頭身、四に便、五に飲食、六に胸、七に聾、八に渇き、これを弁証、九に病歴、十に原因。再診時は服薬後の変化。女性の月経は必須、周期、無月経、不正出血みな訊きましょう。小児は発育状況も訊きましょう。
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| 寒熱を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 寒熱とは、病人の寒熱の感覚のことで、臨床上常時見られる症状であり、問診の重要内容の一つといえます。病人の様々な寒熱の状況を訊くことにより、疾病の表裏・寒熱・虚実を確定する重要な根拠にすることができます。臨床では、悪寒発熱、但寒不熱、但熱不寒、寒熱往来の4つがよく見られます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 悪寒発熱 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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悪寒発熱(おかんはつねつ)とは、悪寒と発熱の2つの症状が同時に見られることをいい、発熱は断続的に続くのが特徴です。悪寒とは、病人が寒気を感じて、衣類を着用したり、火のの側で温まっても、治まらない状態をいい、発熱とは、病人の体温が上昇するか、あるいは平熱であるものの、全身または局所に熱を感じるものをいいます。 悪寒発熱は、外邪が体表を襲うことで起こります。体表を襲った外邪の影響は衛陽に及び、肌表の温煦が失われるために悪寒となります。また正邪の抗争が起こるため、陽気は体表に向かい発熱します。寒邪の場合は、肌表を収斂させるため、汗孔が閉塞した状態になり、陽気を発散することができなくなって熱が籠もり発熱します。 悪寒発熱はその程度や併発する症状で、大きく以下のように分類することができます。また外邪の性質にかかわらず、病邪が軽度の場合は悪寒発熱ともに軽く、病邪が重度の場合は悪寒発熱も重くなる傾向があります。
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| 但寒不熱 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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但寒不熱(たんかんふねつ)とは、病人が畏寒がするものの発熱がない状態をいい、裏寒証に見られます。畏寒(いかん)とは、体が冷えて体を丸めて縮こまってしまう状態をいいます。多くは、もともと陽虚で肌表の温煦ができないか、あるいは寒邪が直に体に侵入して体の陽気を損傷したことが原因で起こります。病人がひどい冷えを感じ、着衣を増やしたり、火の側で暖を取ることで症状が軽減するのが裏症畏寒の特徴です。表証では悪寒が起こり、裏証では畏寒が起こるので、表裏の鑑別の重要な根拠となります。 但寒不熱は大きく以下のように分類することができます。
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| 但熱不寒 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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但熱不寒(たん熱ふかん)とは、病人が発熱を感じるものの冷えがない状態をいい、裏熱証に見られます。 但熱不寒は、発熱のタイプと疾病のタイプにより分類できます。発熱タイプによる分類は以下の通りです。
疾病タイプによる分類は以下の通りです。
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| 寒熱往来 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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寒熱往来(かんねつおうらい)とは、悪寒と発熱が交互に現れる状態をいい、半表半裏(はんぴょうはんり)の特徴的な症状で、少陽病やマラリアで見られます。 臨床的には、以下のように分類されます。
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| 発汗を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 汗とは津液一種で、津液が陽気により蒸化されて汗孔から体表に出たものをいいます。営衛の調和が取れていれば発汗は正常で、汗は皮膚を潤すなどのはたらきをしています。外感内傷どちらでも発汗異常が起こり得るため、病人に発汗について尋ねることは、疾病の表裏寒熱虚実を鑑別するのに役立ちます。発汗について問診する際に重要なのは、発汗の有無、発汗の時間、発汗の量、発汗部位と、発汗に伴う症状です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 表証弁汗 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
外感表証の病人の発汗について尋ねる場合、外感表邪の性質を鑑別し、病人自体の営衛の失常を知ることが重要です。表証では、発汗の有無がポイントになります。
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| 裏証弁汗 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
裏証の病人の発汗について尋ねる場合、疾病の寒熱と病人自体の陰陽の盛衰を知ることが重要です。裏証で見られる発汗異常は、大まかに以下の4つに分類されます。
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| 局部弁汗 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
疾病によって発汗異常が体の局所に見られる場合があり、疾病の診断に役立ちます。臨床的には以下のように分類されます。
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| 頭部と身体を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 頭や身体の痛みをはじめとする諸症状は、それ自体が主症状としてではなく、主症状の随伴症状としてもよく見られます。症状の発症時間の長短、部位、症状のなくなる時間、寒熱の影響等は、陰陽・表裏・寒熱・虚実を弁別する上で重要となります。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 頭部を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 頭は、諸陽が会する場であり、精明之府ともいわれ、脳は髄海といわれています。腎は骨を主り、髄を生み、髄が集まって脳となります。外感内傷とも頭部の病証を引き起こします。病のある経絡、寒熱、虚実などにより、頭部に現れる症状は異なります。ここでは主に、頭痛とめまいについて説明しましょう。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 頭痛を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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頭痛の発症部位や痛みの特徴によって、どの経絡に病があるのか鑑別することができます。
また頭痛の性質によって、外感内傷や寒熱、虚実を鑑別することができます。 急性の頭痛で、痛みが比較的激しく、休みなく続く場合、多くは外感頭痛で実証といえます。頭痛が継続し、風に当たると悪化する場合は風寒頭痛で、風寒の邪が足太陽経から経脈を通って気を塞いだために起こります。頭痛が熱で悪化し、顔が赤く、目が充血する場合は風熱頭痛で、風熱の邪が目、耳、口、鼻など清竅を乱したために起こります。頭の奥が痛み、体が重だるい場合は風湿頭痛で、外感湿邪が陽気の運行を妨げ、清陽が上らなくなったために起こります。 慢性の頭痛で、痛みが比較的穏やかで、痛みが起こったり、止んだりする場合、多くは内傷頭痛で虚証といえます。頭痛がなんとなく続き、疲れるとひどくなる場合は気虚頭痛で、中気損傷により清陽が上らず、脳を養えないために起こりますが、これは太陰頭痛に当たります。頭痛にめまいを伴い、顔が青白くい場合は血虚頭痛で、営血虚損により、上部を滋養することができず、清竅を養えないために起こります。脳が空虚な感じのする頭痛で、足腰がだるい場合は腎虚頭痛で、腎精不足のため、髄海を充たせないために起こりますが、これは少陰頭痛に当たります。 |
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| 頭暈を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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頭暈(ずうん)とは、本人のみが感じるめまいなど頭部の揺れやくらむ感覚で、軽度の場合は目を閉じれば治まりますが、重度では視野の揺れや回転が起こり、立っていることもできなくなります。悪心嘔吐を伴う場合も多く、ひどいと気絶して倒れることもあります。頭暈は症状から、原因を鑑別することができます。 頭暈と同時に脹った痛みがあり、顔が赤く、耳鳴り、口苦、のどの乾燥を伴う場合、肝陽上亢と考えられます。肝陽が亢進して清竅を乱し、内風が生まれたために起こります。ぼーっとした感じの頭暈で、胸悶、悪心、嘔吐、痰などが伴う場合、痰湿内阻と考えられ、痰湿が滞り、清陽が上らないために起こります。頭暈がして目がチカチカし、疲れた時や急に立ち上がった時に悪化し、顔色が白く、舌淡、動悸、不眠などを伴う場合、気血両虚と考えられます。気血が不足して、上部に巡らず、脳を養えないために起こります。頭暈と同時に耳鳴りがあり、遺精、健忘、足腰のだるさを伴う場合、腎精虚損と考えられます。腎精不足で髄海を充たせず、脳が養えないために起こります。
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| 全身を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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胴体や四肢など全身には十二経絡が循行しており、臓腑や気血のはたらきによって養われています。また脾は肌肉、四肢を主り、腎は腰の府をなしています。外感風・寒・湿邪は経絡の気血を滞らせ、内傷脾腎虧虚では四肢、肌肉、腰府を養うことができなくなります。これらは全て、四肢、肌肉、腰などに病変をもたらす原因となり、診断の根拠となります。
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| 身体痛を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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病人の身体痛の多くは、外感風寒・風湿によりますが、これは寒湿の邪が経絡の凝滞を引き起こす性質があり、経気不舒によって気血不和が起こるためです。外感暑湿疫毒の場合は、顔が赤くなって発疹が現れ、杖で打たれたような身体痛が発症しますが、これは湿熱疫毒が気血の運行を阻滞させるために起こります。慢性疾患で起きあがることができず、全身が痛む場合の多くは、営気不足によって気血不和が起こるためです。
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| 身重を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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頭や体が重だるく、腹部の不快感があり、苔膩で、食欲不振、軟便が見られる場合は、感受湿邪が原因で、湿邪の性質が、粘って重く、しつこいため、陽気を停滞させ、経絡不暢となることで起こります。体が重だるく、横になりたがり、少気があってしゃべるのが億劫で、疲れやすく、体に力が入らない場合は、脾気虚損が原因で、水穀精微の運化や昇清ができず、肌肉や四肢を養えないために起こります。
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| 四肢の疼痛を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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四肢の関節痛の多くは痺証(ひしょう)に見られ、外感風・寒・湿邪が原因となります。遊走性の疼痛である行痺(こうひ)が見られる場合は風邪が主な原因といえますが、これは風邪の性質が、移動しやすく、状態を変化させやすく、遊走性で一定しないことによります。激烈な疼痛である痛痺(つうひ)が見られる場合は寒邪が主な原因といえますが、これは寒邪に収斂させ滞らせる性質があるため、経絡や気血を滞らせて流れを悪くさせるために起こります。重い固定痛である着痺(ちゃくひ)が見られる場合は湿邪が主な原因といえますが、これは湿邪の性質が、粘ってしつこく、重いため、局部の気機を阻滞させることで起こります。風湿が長く停滞して熱を持った場合を熱痺(ねつひ・ねっぴ)といい、関節が赤く腫れて痛んだり、ふくらはぎに結節や紅斑が見られたりします。
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| 腰痛を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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腰がなんとなく痛み、だるくて力が入らない場合は腎虚腰痛に属し、腎精虧損で骨髄を充たすことができず、腰府を養えないことが原因です。腰が冷えて重く痛み、天気が悪いと悪化する場合は寒湿腰痛に属し、これは寒湿の邪が腰に侵入して経絡を阻滞させ、気血の運行が低下したことが原因です。鍼で指したような固定痛が腰にあり、触ると不快で、寝返りを打ったり、態勢を変えることができない場合はお血腰痛に属し、これは打撲や捻挫などによってお血が局部に停滞したため、経脈や気血の運行が不暢となって起こります。
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| 胸脇脘腹を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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胸腹部には臓腑があり、その部位の状態を確認することで、病人の訴えや病の所在を知ることができます。
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| 胸部を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
中医学では、両乳頭の間(だん中穴)辺りを胸、だん中からみぞおち(鳩尾)までを膺胸といいますが、一般的には両方を合わせて胸といいます。胸は上焦に属し、ここに心・肺があり、そして宗気の集まる場所でもあります。
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| 脇部を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
両乳頭の横を脇、その下部の肋骨が尽きる辺りを季脇といいます。脇の横隔膜の下部から肋骨の末端部周辺は肝・胆があり、肝胆の経脉が循行しています。肝脉は下から脇に上行し、胆脉は上から脇に下行しています。このため、脇部疾患の多くは、肝胆とその経脉の病変に属します。この他、痰飲の一種である懸飲(けんいん)や気滞血おでも見られます。
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| 胃脘部を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
胃脘(いかん)とは、ぞおちの下から上腹部の中部までをいい、胃のある部分全体を指します。ツボでいうと鳩尾から上脘までを心下(しんか)といいます。心下から下脘の間に胃が収まっています。胃は飲食物を受け入れて消化するところで、調和が取れ、飲食物が下降するのが正常な流れです。寒熱、消化不良、気滞などにより陰陽失調が起こるとみな胃を損傷し、脘部に症状が現れます。このため胃脘部の状態を尋ねることは、胃の病の寒熱や虚実を知る上で重要となります。
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| 腹部を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
腹部は比較的範囲が広く、大まかには大腹、小腹、少腹の三部に分けることができます。大腹は上腹部で脾経と関係があります。小腹は臍下から恥骨周辺までをいい、膀胱経や子宮と関連があります。少腹は小腹の両脇で肝経が通り、生殖器と肝経があります。この他、腸も腹部にあり、また衝脈や任脈なども通っています。このことから、腹部からは病の寒熱や虚実、臓腑との関連を判断することができます。
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| 耳目を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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腎は耳に開竅し、耳は多くの経脈の総合する場所でもあります。肝は目に開竅し、五臓六腑の精気は皆上って目に注がれます。そのため。病人の耳と目の状況を知ることは、肝、腎とこれらと関連のある胆、三焦、またこれらに関わるその他の臓腑の病変を理解する手掛かりとなります。
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| 耳を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床でよく見られる耳の症状は以下の通りです。
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| 目を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床で両眼によく現れる症状は以下の通りです。
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| 飲食と味を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 飲食の量を尋ねることで、脾胃の盛衰を知ることができます。味の好みを訊くことで、臓腑の虚実を知ることができます。
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| 口渇と水分摂取を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 口渇は臨床上よく見ることができる自覚症状のひとつです。水分摂取は人体における津液の主となる起源です。口渇の有無や水分摂取の量と、体内の津液の充実度や輸送状態、陰陽の盛衰との間には密接な関係があります。従って、病人に口渇や水分摂取について尋ねることで、病人の津液の盛衰や輸送における障害などを理解でき、病気の寒熱・虚実を判断することができます。臨床上、口渇の特徴や水分摂取の量と、同時に見られる症状から、弁証や分析を行うことができます。
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| 口不渇 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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口不渇(こうふかつ)とは、のどの渇きがないことをいいます。津液がまだ損傷していないか、寒証で明らかに熱邪のない場合に見られます。
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| 口渇多飲 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
口渇多飲(こうかつたいん)とは、のどの渇きが明らかで水分摂取が多いことをいいます。これは津液が大いに損傷していることを表し、臨床的には以下のように鑑別されます。
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| 渇不多飲 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
渇不多飲(かつふたいん)とは、口渇や口乾を感じても、水分を欲しがらないか、少量で足りる場合をいいます。津液の軽度の消耗や輸送障害の現れで、陰虚・湿熱・痰飲・お血などで見られます。
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| 食欲と食事量を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 胃は飲食物で充たされ、飲食物の消化吸収を行います。脾は飲食物から営養物質を作り出し、水分代謝に関与します。このことから脾胃は後天の本といわれ、脾胃のはたらきは飲食の状況に大きく左右されます。また人は胃気を本とするため、胃気が充分にあるかどうかは疾病の重さや発展と直接的な関わりを持ちます。従って、病人の食欲や食事量を尋ねることは、脾胃のはたらきを理解したり、予後を予測したりする重要な手掛かりとなり、疾病の弁証分析や随伴症状と合わせて詳しく把握することができます。また、疾病の過程で、病人の食欲や食事量の変化が起こることがありますが、これより疾病の発展を知ることができます。一般的に、病人の食欲が回復し、食事量が増えるようなら、胃気も回復しており、予後は良好です。反対に、食欲が低下し、食事量も減るようであれば、胃気の衰退があると見られ、予後はあまりよいとはいえません。この他、慢性疾患や重病でもともと食が細かったにもかかわらず、突然食欲が出て食べたがるようなら、胃気が将に絶えようとする現れで危篤な状態に属します。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 食欲減退 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
食欲減退とは、病人が食べたいと思わないか、甚だしいと食べることを嫌がることをいい、納少(のうしょう)あるいは納呆(のうほう)ともいわれます。臨床的には以下のような状態がよく見られます。
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| 多食易飢 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 多食易飢(たしょくいき)とは、病人の食欲が異常に旺盛で、食べても食べてもすぐお腹が空いて、食べる量が異常に増えているにも関わらず体が痩せることをいいます。多食易飢で、同時に口渇心煩、舌紅苔黄、口臭があって便秘する場合は胃火亢盛に属します。胃熱により消化や代謝が亢進することにより起こります。多食易飢で、同時に下痢や軟便を伴う場合は胃強脾弱といえます。胃の消化吸収能力が亢進するため、空腹感が増して食が増えますが、脾の運化能力は低いため、大便に不調が現れます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 飢不欲食 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 飢不欲食(きふよくしょく)とは、病人に飢餓感があるものの、食べたいと思わないか、食べてもあまり食べられない状態をいい、胃陰不足に見られます。胃もたれや胸焼けを感じ、舌紅少苔で脉細数になりますが、これは胃陰不足で虚火内擾したために起こります。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 偏嗜食物 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 偏嗜食物(へんししょくもつ)とは、病人がある種の食物や異物を偏って欲しがることをいいます。小児が、生米や泥土を欲しがり、痩せて、お腹が脹ったり、痛んだりして、臍の周辺に可動性のしこりがある場合は虫積が原因です。不潔なものを摂るなどして、蛔虫や蟯虫などが体内で成長し、脾の運化に影響し、機体を養えなくなるために起こります。既婚女性が、月経停止し、酸っぱいものを欲しがり、悪心があって、脉滑数冲の場合は妊娠で、生理現象であって病気ではありません。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 口中の味を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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脾は口に開竅し、またその他の臓腑も経脈を通して口と関係しています。病人の口中の異常な味は、脾胃の失調やその他の臓腑の病変を反映しており、臓腑の疾患の診察に役立ちます。以下に主なものを表にまとめました。 但し、病人の居住地や生活習慣の違いによって、病人の飲食の好みには違いがあります。また、肝病があれば酸味、心病があれば苦味、脾病があれば甘味、肺病があれば辛味、腎病があれば鹹味を欲しがることがあるように、病のある臓腑によって、病人の飲食物の好みが異なることがありますので注意が必要です。
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| 睡眠を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 睡眠の状態と、人体の衛気の循行やの陰陽の盛衰との間には密接な関係があります。疾病で陰陽失調が見られる場合、陽気が陰と交わることができなければ失眠となり、陽気が表面に出てこれなければ嗜睡となります。つまり機体の陰陽の循行状況と盛衰の変化が睡眠障害を引き起こすのです。但し、陰陽の失調は必然的に心神に影響するため、神志不安となって失眠に至ります。病人に睡眠状態を尋ねる場合、失眠や嗜睡の状況だけでなく、その他の症状や随伴症状も同時に訊くことが重要です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 失眠 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床上、寝付きが悪い、寝てもすぐ目が覚める、または一睡もできないなどの症状のあるものを失眠(しつみん)または不寐(ふび)といいます。一睡もできない場合を除き、同時に夢をよく見るのも特徴です。陽盛陰虚で、陽気が陰と交われず、神を守ることができないので、心神不安になって引き起こされます。
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| 嗜睡 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床上、精神的に疲労してだるく、眠くて仕方がなく、意志に反して思わずうとうとしてしまう状態を嗜睡(しすい)または多眠(たみん)といいます。陽虚陰盛、湿困脾陽、あるいは温病の邪が心包に入った場合などに見られます。
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| 二便を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 大便の排泄は、直接的には腸が関与していますが、それ以外にも脾の運化や胃の腐熟、肝の疏泄、命門の温煦など様々な要素が密接に関係してます。また小便の排泄は、直接的には膀胱のはたらきですが、これは腎の気化によるものであり、脾や肺のはやらきや、三焦の輸送などとも深く関わり合っています。 このことから、二便の状況を問うことは、直接消化吸収や水液代謝の状態を尋ねることであり、また疾病の寒熱や虚実の重要な根拠にもなります。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 大便を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 健康な場合、1~2日に一回排便があります。排便はスムーズで、しっかりとした形があって乾燥せず、膿や血液、粘液、未消化物などが混じらない便が排泄されます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 排便回数 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
便秘(べんぴ)とは、大便が乾燥して固まり、排出が困難で、排便回数が減少することをいい、ひどい場合にはかなり長期間排便がないこともあります。原因は腸の津虧や、大腸の伝導がうまくいかないことなどです。高熱の病人が便秘し、腹部が脹って痛み、舌紅・苔黄・燥であれば、実熱証に属します。熱により津液を消耗し、大腸の乾燥がひどくなったことが原因です。病人の顔色が青白く、温かい飲み物を好み、大便が乾燥して、脉沈遅の場合は冷秘で、陰寒内結により腸の気機が停滞したことが原因です。病人の大便か乾燥し、舌紅・苔少で脉細数の場合は陰液虧損で、腸の潤いがなくなったことが原因です。慢性疾患、加齢、出産が原因で便秘する場合の多くは気陰両虚で、気虚により排便時に力が入らないことと、津虧により腸の潤い不足が起こるためです。
泄瀉(せっしゃ)とは、大便が稀薄で軟らかく、形がなかったり水様になったりして、排便回数が増加することをいいます。原因は脾の運化の低下や、腸の水分停滞、大腸の伝導失調などです。病人が納少でお腹が脹り、なんとなく腹痛があって、下す場合は脾虚です。脾の運化が低下し、小腸の清濁の分別ができず、腸内に水分が停滞したことが原因です。夜明けに腹痛があって下痢し、排便後は症状が治まり、足腰がだるくて冷える場合は腎陽虚に属します。命門火衰により、脾を温煦できなくなるため、脾が冷えて運化が失調することにより起こります。夜明け前で陽気はまだ旺盛ではなく、陰気が未だ強い時刻であるため、この時間に症状が現れます。お腹がすっきりせず、腐臭のするげっぷがあって、腹痛や下痢が見られ、排便後痛みが軽減する場合は食傷です。暴飲暴食や飲食不潔により、胃腸を損傷し、大腸のはたらきを亢進させるために起こります。便と共に濁が排泄されるので、排便後に症状が軽減します。情志抑鬱があって、腹痛や下痢が起こり、排便後症状が軽減する場合、肝鬱乗脾に属します。肝気鬱結し、脾を剋したために起こります。
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| 大便の質 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
便秘の乾燥や泄瀉の稀薄以外にも、大便の質の異常が現れる場合があります。
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| 排便時の感覚 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 小便を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 小便は津液代謝によりできる排泄物です。このことから、病人に小便について尋ねる場合、津液が充分あるのか不足しているのか、また肺・脾・腎の気化は正常に行われているのかを確認することが重要になります。 健康な成人の場合、特別な状況を除いて、一日の尿量は約1.5リットルで、回数は起きている間に5~8回、夜間尿が0~1回です。尿量は水分摂取量や気温、湿度、発汗、年齢などの影響を受けやすく、回数には個人差があります。
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| 尿量 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 排尿回数 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 排尿時の感覚 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 女性に問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 女性には月経、帯下、妊娠、出産、授乳など、男性と異なる生理的特徴があります。これら女性特有の生理は、一般的な疾病によって変化することもあれば、婦人科疾患である場合もあるので、状況をよく見極める必要があります。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 月経を問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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月経は女性が成熟するための特有の生理現象です。7×2つまり14歳頃天癸(てんき)が至り、任脈が通じ、太冲脉が盛んになって、体が妊娠できる準備が整い、毎月規則正しく月経が来るようになります。天癸とは腎精から作られる生殖機能を促進して維持するものです。因みに女性は7の倍数、男性は8の倍数で身体の転換期を迎えるため、8×2つまり16歳頃天癸が至り、射精が行われます。 正常な場合、初潮は天癸を迎える数え年の14歳頃、閉経は7×7つまり数え年の49歳頃です。月経周期は28日前後で、一回の月経期間は5~7日間、経血はきれいな赤色で、血塊などを認めません。普通、妊娠中や授乳期には月経はありません。 月経周期、期間、経血の色や量あるいは質の異常な変化は、寒熱や虚実の判断材料となります。
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| 月経不順 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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月経周期、期間、経血の色や量あるいは質の異常な変化があるものを月経不調(げっけいふちょう)といい、以下のように分類します。
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| 月経痛 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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月経前、月経中、月経後に発症する下腹部の疼痛を行経腹痛(こうけいふくつう)といいます。月経周期と平行して発症するため経痛(けいつう)ともいいます。甚だしい場合には耐え難い激痛になることもあります。月経前に小腹脹痛を発症し、月経が始まると徐々に治まってくる場合は実証で、多くは気滞血おによるものです。月経後に小腹隠痛があって、腰の重だるい痛みを伴う場合は虚証で、気血不足か腎虚により子宮を通る経絡を養えないのが原因です。月経中に小腹冷痛があって、温めると軽減する場合は寒証で、寒凝血脈により、子宮の経脈が収引して痙攣するために起こります。
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| 無月経 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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初潮を迎える年齢になっても月経が来ないものや、月経が来ていたものが3ヶ月以上来なくなったものを経閉(けいへい)といいます。問診では、妊娠、授乳期、閉経、もしくは暗経(あんけい)と呼ばれる排卵はするものの出血を見ない場合と、きちんと区別することが重要になります。因みに、日本語でいう閉経は絶経(ぜっけい)といいます。
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| 不正出血 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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月経ではなく、突然大量出血するものを経崩(けいほう)、同様に長期間だらだらと出血するものを経漏(けいろう)といい、両者を併せて崩漏(ほうろう)といいます。経血の色が深紅で血塊のある場合、多くは熱証です。経血の色が淡紅色で血塊のない場合、多くは冲任損傷または中気下陥による脾不統血が原因です。
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| おりもの | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
おりもののことを帯下(たいげ)といいます。正常な帯下は、量が少なく、月経周期に合わせて透明から白色、淡黄色に変化します。しかし、量が多かったり、止まることなく流れ出たり、あるいは色、におい、質などが異常な場合、帯下病(たいげびょう)と考えられます。
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| 妊娠 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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本来月経が正常な既婚女性が、突然月経が来なくなり、病気でもなく、脉が滑数冲和であれば、妊娠と考えられます。 妊娠中の女性で、食べることが不快で悪心、嘔吐があり、ひどい場合には繰り返し嘔吐して食べられなくなるものを妊娠悪阻(にんしんおそ)といいます。心身ともに疲れやすく、味がしなくて、お腹が脹る場合は、胃気素虚が原因で、妊娠したことにより気盛上冲して胃失和降するために起こります。抑鬱状態で怒りっぽく、口が苦くて、酸っぱい水を吐く場合は、肝鬱化火による肝火犯胃が原因です。お腹が気持ち悪くて食べられず、痰や涎を戻す場合は、痰濁上逆により胃失和降したことが原因です。 妊娠中に、下腹部が下に引っ張られるような感じがしたり、腰がだるく痛んだりして、出血を伴う場合は胎動不安(たいどうふあん)で、流産や早産の前兆といえます。顔色がどす黒く、頭暈、耳鳴、小便頻数があれば、腎虚により冲任脈を養えないことで起こります。顔色が白く精彩を欠き、心身が疲れている場合は、気血両虚により胎児を養えないことで起こります。外傷により腹痛や出血が見られる場合は、外傷を受けた際に冲任脈を損傷したことが原因です。 |
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| 産後 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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産後に悪露による多量の出血があって12日以上止まらないものを悪露不断(おろふだん)といい気虚、血熱、血お、などが原因で起こります。悪露の色が薄くて稀薄、量が多く、顔色が黄色くくすみ、精神疲労があって体に力が入らない場合は、気虚下陥による不統血です。悪露の色が深紅で粘稠、量が多く、顔色が赤くてのどが乾き、便秘や尿の色が濃い場合は、血熱妄行によるものです。悪露が暗紫色で塊を含み、下腹部に刺すような痛みがあって触られると不快で、舌隠青またはお斑が見られる場合はお血内停によるものです。 産後発熱して熱が退かず、ひどいと壮熱になるものを産後発熱(さんごはつねつ)といい外邪、内熱、陰虚生熱などが原因で起こります。発熱、悪寒、頭痛、身体痛などが見られる場合は表証で、感受外邪が原因です。高熱で落ち着かず、のどが渇いて冷たいものを欲しがり、便秘や尿が濃い場合は火邪内盛が原因です。微熱でなんとなく腹痛がし、頭暈、顔色が白い、大便乾結などの症状が見られる場合は、血虚化燥生熱が原因です。 |
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| 小児に問う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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小児の場合、本人に問診することは非常に困難で、尚かつ正確な判断が難しいので、病人である小児本人ではなく、両親や保護者を通して行うのが普通です。問診の際には一般的な問診の内容はもとより、小児特有の生理や病理についても合わせて尋ねる必要があります。 小児の生理的な特徴としては、臓腑嬌嫩(ぞうふきょうどん)、生機蓬勃(せいきほうぼつ)、発育迅速(はついくじんそく)などがあります。臓腑嬌嫩とは臓腑がまだ若く軟弱なこと、生機蓬勃とは生命活動に勢いがあって盛んなこと、発育迅速とは発育が早いことをいいます。 小児の病理的な特徴としては、発病較快(はつびょうかくかい)、変化較多(へんかかくた)、易虚易実(いきょいじつ)などが挙げられます。発病較快とは病気に罹りやすいということ、変化較多とは症状が変化に富むということ、易虚易実とは虚しやすく実しやすいということです。 小児にはこのような特徴があるため、小児の疾病には、的確な診断と適切な治療が重要になります。そして問診時には以下に重点を置いて尋ねる必要があります。
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| 出産前後の状況 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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新生児とは生後一ヶ月までの赤ちゃんをいい、この時期に見られる疾病は、先天的なものか、分娩時の状況に関連があるものがほとんどを占めます。そのため、母親の妊娠中、授乳期の健康状態や栄養状態、お産の軽重、早産など出産について詳しく問診することが重要です。これらをしっかり訊くことではじめて、小児の先天の状況を判断することができます。 嬰幼児とは生後一ヶ月から満三歳までの小児をいい、発育が早く、多くの栄養を必要とします。そのため、食餌が不適切であった場合、栄養不良、五遅五軟、血虚証などの症状が現れます。そのため、小児の食餌や栄養状態、座る、這う、立つ、歩くなどの状態や、歯が生え具合、ことばの理解力などを尋ねることは、小児の後天の栄養状態や発育の状態を知る上で重要となります。
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| 予防接種と感染症 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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小児は6ヶ月から満5歳くらいで受動免疫が消失しますが、能動免疫もまだ未発達で、尚かつ接触感染の機会も多いため、種痘や麻疹などの感染症に罹患しやすいのが特徴です。そのため、予防接種の状況、感染症の既往歴、感染症罹患者との接触などについて尋ねることが重要です。既にある種の感染症の予防接種を受けているか、あるいは罹患したことがあるにも関わらず、その感染症と似たような症状が見られたり、なかなか治らない場合は、その感染症に対する免疫ができていないか、最近になって罹患した患者と密に接触したなどを探ることができます。
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| 小児の疾病の原因 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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嬰幼児の神志はまだ発育が不完全なため、驚きやすく、熱性痙攣を引き起こして、驚いて叫んだり、痙攣などの運動障害がよく見られます。また脾胃のはたらきも不十分なため、消化吸収力が低く、食傷を起こしやすく、嘔吐、腹瀉、疳積などの症状がよく現れます。この他、外界の環境への適応能力も充分でないため、外感病によく罹患します。
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