2006.09.17〜24南陽鍼灸研修

研修内容
南陽の李家家伝の鍼灸を伝承する4代目李世珍先生・5代目李伝岐先生は何回も日本に来られ、家伝の鍼灸術を日本人に伝えて来ました。しかし日本では、医師法などの関係により臨床実践を見ることができないでいました。

李家が活躍する南陽は三国志でも有名な諸葛光明が三顧の礼を受けたところであり、李家の方々も既に3度日本に来られているので、今度は日本から研修に行って臨床の場を見てみようということになりました。残念ながら4代目李世珍先生は昨年他界されており、お墓参りも兼ねての南陽入りになりました。研修先は、5代目李伝岐先生の弟さんの李良先生が勤務されている付属病院と、李世珍先生の最後のお弟子さんと6代目李楊先生の勤務する南陽中医医院鍼灸科にて行いました。

実質4日間の短い期間の研修でしたが、2班に分けて2日ずつ、両方の病院で学ぶことにしました。二つの病院はともに南陽市内にあるのですが、患者層が違い多くのことが勉強できたと思います。

張仲景国医学院付属医院  医院内にて教授と

研修先
張仲景国医学院

中華人民共和国南陽市臥龍路131号
TEL:0377-63529587/0377-63526202

企画
李氏鍼灸研修団準備会
コーディネイト・ガイド・通訳
引率
白川徳仁
関口善太

通訳
・韓小娟
・楊可

コーディネイト・通訳
武藤勝俊

研修日程  ※成田出発スケジュール

9/17(日)
12:20 成田空港第2ターミナルGカウンター集合
14:20 CZ386にて成田出発
17:50 広州到着
20:00 ホテルにて夕食
9/18(月)
5:00 起床
5:30 チェクアウト
6:00 ホテル出発
8:25 CZ3221にて広州出発
10:30 南陽到着
12:00 昼食(バイキング)
14:00 開校式。李氏鍼灸の紹介。学校内の見学
19:00 夕食
9/19(火) 〜22(金)
7:00 起床。ホテルにて朝食
8:00 ホテル出発
8:30〜11:30 張仲景国医学院付属医院にて研修
11:30〜13:00 近隣レストランにて昼食
13:00〜15:00 市内見学。玉市場・臥龍崗・漢画館・医聖祠
15:00〜17:30 質疑応答など
17:30〜19:00 自由時間
19:00 一般のレストランにて夕食。22日は謝恩会
9/23(土)
9:00 ホテル出発
9:30 李伝岐氏による総括。および質疑応答
16:25 CZ3222にて南陽出発
18:25 広州到着
20:00 飲茶
9/24(日)
5:00 起床
5:30 チェックアウト
6:00 ホテル出発
8:15 CZ385にて広州出発
13:20 成田到着。解散

費用
・成田出発 \267,000
・福岡出発 \277,000

研修参加費用には、研修費の他、交通費・宿泊費 ・食費・観光費なども含まれます。

参加者氏名(五十音順)
・青蝟リ綿子様  ・加藤仁様  ・川崎徹様  ・木村茂様  ・斉藤由紀子様  ・志田和隆様  ・滝澤靜江様
・楯順子様  ・直江寛美様 ・中島敏宏様  ・藤村佳子様  ・松本知子様  ・宮村宏様  ・山口晶子様
計14名
開校式の様子

開校式医学院前にて集合写真

研修風景
デモンストレーションも講義も熱が籠もる 治療だけでなく美容鍼灸も 4代目李世珍先生墓碑
李宛亮先生による
熱心な講義
藩華先生の女性らしい
たおやかな手技
4代目李世珍先生の墓碑には
師の功績が記されている
地元テレビ局・新聞社の取材

南陽日報

研修期間中は、地元テレビ局や新聞社から連日のように取材を受け、いろいろな番組や記事にて報道されました。

 

南陽日報一面に掲載された記事

参加者の声 (五十音順)
川崎徹様
川崎徹様近影 かわさき鍼灸院

〒813-0025
福岡県福岡市東区青葉2-2-5
TEL 092-691-2737

私は台風13号の直撃にあって出発が一日遅れ、みなさんにご迷惑をおかけしました。しかし、それも今となっては思い出の一つ。研修の方は十分挽回することができ、多くの収穫を得ました。私はこれまでに北京、上海での研修を経験しましたが、今回の南陽研修が密度の濃さでは一番だったと思います。

なんと言っても、李世珍先生の本で学んだことが次々と実践されるのを目の当たりにし、そしてその成果を実感できたことが感激です。「やっぱりこれでいいんだ」と、また明日から治療に臨むパワーと信念を授けられた思いがします。

白川先生関口先生からも貴重なアドバイスをいただきました。地方で一人でやっていると、ついつい殻に閉じこもりがちですが、今回の研修でその殻を突き破ることができました。このご縁に感謝いたします。

また、研修を支えてくださった縁の下の力持ち、武藤先生のご尽力に心からお礼申し上げます。特に私は台風騒動でお世話になりました。ありがとうございました。 最後に、研修で得た財産、仲間達との絆に感謝し、これからもお付き合いいただくことをお願いして、まとめとさせていただきます。

楯順子様
楯順子様近影 たて産婦人科・針灸科

〒264-0025
千葉県千葉市若葉区都賀3-5-3
TEL 043-231-0213










私が臨床で取り入れている、憧れの李世珍の針の現場を見て来ました。やはり、本物はすごかったです。とても感動しました。

世珍先生の三男の宛亮先生の、力強い得気と手技、刺針のスピード、弁証論治による取穴の正確さ、疾患の多さ、補寫手技の早さに圧倒されました。また、すべてがパワフルでした。督脈に田植えのようにいとも簡単に刺針していく技術は職人技です。宛亮先生は13才から針を学び、古典は子供の頃にはもう読んでいたそうです。逆に、世珍先生に10年間ついた藩先生は優しくて、刺針のスピード、美しさとともに、気持ちのよい手技で癒されるような雰囲気です。女性施術者ならではの美容針灸も取り入れられ、大人気でした。

李家の針も偉大ですが、と同時に李家の針灸の先生方は皆、徳のある方ばかりで、人格的にもとても尊敬できる大変素晴らしい方々でした。

世珍先生は貧しくて、漢方薬を買うお金がない農民のために、漢方と同じ位効果のある、この針灸を開発されたそうです。そして、5代目の伝岐先生は日本から来た針灸師のために何でも包み隠さず、教えて下さるとおっしゃいました。

世珍先生のお墓参りをした時は世珍先生が今も生きていて、そばにいられるような気がして、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

学校の皆様はとても温かく迎え入れて下さいました。本当に心から感謝申し上げます。私とははるかにレベルが違いますが、李家の先生方に少しでも近づけるように、これから李氏針灸をより深く学んでいきたいと思います。針灸の目指すべき師匠に巡り会えた感じです。また、この李家の先生方との出会いをいつまでも大切にしていきたいと心から思いました。

李家の針は切れ味がよく、その分反応が素早く現れます。弁証論治がしっかりしてないと、逆効果にもなりかねません。患者様を通して、ひとつひとつ着実に病態と向き合い、理解していきたいと思います。

これから一生かかっても李家の先生方には及びませんが、少しずつ頑張りたいと思います。李氏針灸の素晴らしさがより分かりました。このような素晴らしい研修を企画し、引率して下さった諸先生方にこの場を借りて心より厚く御礼を申し上げます。

藤村佳子様
藤村佳子様近影 養精鍼灸院

〒154-0016
世田谷区弦巻3丁目
TEL 090-6177-0786

尊敬する「李世珍」先生のふるさとである南陽に針灸の真髄を学ぶためでした。残念ながら世珍先生はお亡くなりになられましたが、その志を継ぐ、5代目伝岐先生、宛亮先生をはじめ、李氏の鍼灸の理論と技術を実践する先生方のもとで研修を受けてまいりました。

今回は、南陽市中医院と附属病院の2箇所を訪ねました。12畳くらいの広さの室内にベッドが6台ほど。ベッドとベッドの間にはカーテンはなく、人がやっと一人入れる位スペースです。取穴がほとんど手足だけのため、脱衣も必要なく、いすに座って鍼を打たれる人もいます。そこにわたしたちが研修に参加したため、鍼灸科は誰が先生で誰が患者さんなのかもわからないくらいごった返し、子供達は泣く、騒ぐ、研修の説明や質問が飛び交うといった賑わいでした。

研修の内容は、わたしたちが見学するということで今回は特別だったようです。いつもは「必殺仕事人」でただ針を打つだけの先生が、それぞれの患者さんの疾患について、弁証と治則、取穴だけでなく、西医からみた疾患についての説明や経緯までも含めたものと初歩から丁寧に行われました。通訳さんは専門用語にたじたじ。それでもわたしたちの容赦ない質問に、先生は身振り手振りで応えてくれます。その熱気たるや。患者さんも唖然。

訪れる患者さんの症状も日本での臨床ではあまり診られないものだったので、興奮し、先生の理論はもちろんのこと、手技の全てを見逃すまいと先生の後をずっと追いかけていました。先生は休むまもなく、こっちの患者さんあっちの患者さんに針を打ち、わたしたちに説明しと全力疾走。それでも打つ針は患者さんの症状がその場でみるみる変わるそんな針を打つんです。それを目の当たりにし、鍼灸の効果のすばらしさを再認識すると同時に、鍼灸の可能性に興奮しました。

そのほか、美容針灸の理論と手技も勉強することができました。しかし、ここでも「弁証」は基本でそれに基づく治療だからこそ絶対の自信を持つ効果が出るのだということを思い知らされました。

研修を終えてわたしのなかで、今後私の課題になると感じたことは、南陽と日本では環境、食文化の違いから体質も違い、鍼灸に対する意識も違います。その中で南陽で得てきた理論や技術を、日本で日本人の体質に合わせた施術で、如何に成果を出してゆくかにあるということです。熱心に教えてくださった先生方に応えられるよう、これからますます研鑽の日々です。

最後になりますが、このすばらしい研修を企画、運営してくださった白川先生関口先生武藤先生にはとても感謝しています。また、参加者が満足のいく研修になるようにと走り回ってくださった武藤先生には心よりお礼申しあげます。謝謝

松本知子様
サロン ド アルテミス

〒860-0843
熊本市草葉町1-25-702
TEL 096−352-3914/090-9592−1540
※完全予約制

実際に南陽の病院で李先生の針の手技で患者さんを治療している現場を見学できることが、私の参加理由でした。

たしかに病院にはたくさんの患者さんがいて、李氏の針の手技が行われていました。しかし、我々に実際の患者さんを治療しながら、黒板で弁証論治を熱く講義してくださる李伝岐、宛亮先生の「李家の針を伝承していく。」と言う情熱を強く感じ、引き込まれるように集中して研修ができました。

私にとって最初の参加目的以上に充実した研修となり、また、改めて自分自身の治療に対する姿勢を考える良い機会となりました。

山口晶子様
李氏鍼灸が南陽でどのように行われているかをずっとこの目で見たいと思っていました。 白川先生関口先生武藤先生のご尽力のおかげで、今回の研修でそれが実現しました。

張仲景国医学院附属医院では、李宛亮先生のダイナミックな針にびっくりしました。督脈に沿って針を打つときも、棘突起間を指で探ることもなく、まるで筋肉に刺入していくようなスムーズさでした。そして捻転の補しゃ手技はとても素早く、繊細でした。先生が私の内関に針を打ってくれた時、強いけれども心地よい響きが心包経と三焦経に 伝わってきました。内関が針を飲み込んで離さないかのような、すばらしい得気で、私がヘタな手技(それでも針がとても滑らかに動き、心地よさを体感できました)をしても針がぶれることはありませんでした。また、治療室の隅で、先生自ら黒板を使って弁証のコツなどの講義をしてくださったことも感激しました。

南陽市中医院では,新患の患者さんに藩先生がする、問診、弁証、治療の全てを見学させて頂くことができました。弁証がピタリと当たって、つらい症状がとれていく人、またあまりよくならなかった人に翌日違う弁証で治療して症状が改善するという場面もありました。主訴に随伴する症状がなければ、局所治療にすぐに入りますが、問診をして弁証が必要ないという確認は必要です。問診は弁証のためにするものですが、難しいなあと改めて感じました。藩先生の減肥や美顔などの美容鍼灸もおもしろかったです。

今振り返ってみても、漢方薬を併用しないという李氏鍼灸の治療効果はすばらしいものでした。しかしながら,1回治療で3歳からの耳鳴りがなくなったという例を目の当たりにすることができた反面、西洋医学では治療法のない脳性麻痺や網膜色素変性症などの難治性疾患は毎日、または一日おきに治療をしないと効果が出にくいという話も聞きました。日本では治療費もかかるし、そう頻繁に治療院に来られる人はいません。日本の事情に合わせて、どんなふうに自分の治療に生かしていくかが今後の課題です。

最終日には李伝岐先生による質疑応答がありましたが,故李世珍先生も生前おっしゃっていた、李氏鍼灸について出し惜しみすることなく全て教えますという李家の姿勢にとても感動しました。また機会があったら、南陽に行って李氏鍼灸についての理解をさらに深めたいと思います。