漢方金言集

2009年9月より、泰生堂薬局の店頭にてご紹介していた漢方金言集。皆様のご要望にお答えして、バックナンバーを閲覧できるようにしました。

色随気華:色は気に随って華す(しきはきにしたがってかす)

色とは色や光沢のこと、気とは内臓の持つエネルギーや機能を指します。

気由臓発:気は臓より発す

気には2つの意味があります。

火易致腫瘍:火は腫瘍を致し易し

お餅を火で炙るとぷ~っとふくれます。

病入膏肓:病膏肓(こうこう)に入(い)る

「病膏肓に入る」というと、物事に熱中してどうしようもない様をいいますが、本来の意味は違います。

五気化火:五気は火に化す

自然界には風・寒・暑・湿・燥・火(熱)の6つの気候変化があります。

戸枢不蟲:とぼそは蟲に喰われず

「とぼそ」とは開き戸の支えのことで、この部分は戸の開閉の際、常に動いているため、虫喰いがありません。

労則気耗: 労すれば則ち気耗(すりへ)る

過労は生命活動に必要な精気(せいき)を消耗します。

以毒攻毒:毒を以て毒を攻む

病の原因が人体に不要なものの停滞や蓄積である場合、それを取り除く方法として、使い方によっては人体に悪影響が出かねないものを利用して治療することがあります。

色随気華:色(しき)は気に随って華す

色とは色や光沢、気とは臓腑のエネルギーや機能をいいます。

袪旧生新:旧きを袪って新しきを生ず

風水では、財布に古いレシートや使わないポイントカードなど、余分なものがたくさんあると、お金が入るスペースがないので、お金が貯まらないといわれますが、実は人体も同じです。

用薬如用兵:薬を用いるは兵を用いるが如し

戦場では戦況に応じた作戦が重要となります。

寒無犯寒:寒に寒を犯すことなかれ

中医学と現代医学の大きな違いのひとつに、季節を考えるというものがあります。

熱無犯熱:熱で熱を犯すことなかれ

中医学では、健康維持や病気の予防、治療の際、最も大事なことはバランスです。

五臓所悪:五臓の悪(にく)む所

「悪む」とは、憎む、恐れるという意味です。

五臓化液:五臓は液を化(か)す

五臓には、それぞれ密接な関係のある体液があります。

五臓所蔵:五臓の蔵する所

五臓は身体的な器官や組織だけでなく、精神・意識・思惟活動などもそれぞれに密接な関係があると考えます。

五臓所主:五臓の主(つかさど)る所

五臓とは、肝・心・脾・肺・腎の5つの臓をいいます。

五味所禁:五味の禁ずるところ

ここでいう「禁」とは、禁忌または忌避という意味です。

五味所入:五味の入るところ

中医学や薬膳でいう五味とは、酸・苦・甘・辛・鹹(かん)の5種類の味をいいます。

天気通於肺:天気は肺に通ず

ここでいう天気とは、いわゆるお天気のことではなく、天の気すなわち自然界の大気を指します。

虚則補之:虚すれば則ちこれを補す

中医学でいう虚実とは、日本漢方のそれのように、体格や体力のことではなく、人体に不必要なものの停滞や蓄積があるのか、それとも人体に必要なものが不足しているのか、という人体の状態を表します

実則瀉之:実すれば則ちこれを瀉(しゃ)す

漢方には、実証(じっしょう)、虚証(きょしょう)ということばがあり、日本漢方では体質を表しますが、本来の意味はそうではありません。

燥易傷肺:燥は肺を傷(やぶり)易し

外気の異常な乾燥は、容易に津液(しんえき)を損なうだけでなく、肺の機能にも影響しやすいという特徴があります。

燥性乾渋、易傷津液:燥に乾渋の性あり、津液を傷(やぶ)り易し

外気の異常な乾燥は人体に影響し、津液(しんえき)を容易に損ないます。

五気化火:五気は熱と化す

中医学では、自然界における風・寒・暑・湿・燥・火(熱)の6つの気候変化六気(ろっき)といいます。

寒者熱之:寒はこれを熱す

ここでいう寒とは、冬の寒さや冷房などによる外界から受ける寒さ、あるいは冷たいもの、生もの、水分の摂りすぎなどで体内に停滞、蓄積した冷え、無理なダイエットや偏食、疲労、加齢、慢性疾患などによる熱エネルギーの消耗が原因の冷えなど、中医学的な病の原因となる冷えや寒さを指します。

熱者寒之:熱はこれを寒す

ここでいう熱とはいわゆる発熱ではなく、夏の暑さや外界からの熱、あるいはストレスや食餌の不摂生が原因で生じた熱、体液不足によりほてりやのぼせとして現れる熱など、中医学的な病の原因となる熱を指します。

臓行気於腑:臓は気を腑に行(めぐ)らす

現代医学の内臓に当たるものを、中医学では臓腑(ぞうふ)といいます。

湿困脾陽:湿脾陽を困らす

「困」には梱包の梱と同じく「つつむ」という意味があります。

精不足者補之以味:精足らざるはこれを補うに味を以てす

中医学でいう精(せい)は、生命活動の根幹を為すエネルギーのことで、腎に蓄えられているため、腎精(じんせい)あるいは先天の精ともいわれます。

腰為腎之府:腰は腎の府を為す

 「府」には居場所という意味があり、直訳すると「腰は腎の居場所」となります。

食肉則復:肉を食せば則ち復す

中医学では、健康維持や疾病予防、治療において、現代医学以上に「食」が大きく関わります。

腎主先天、脾主後天:腎は先天を主(つかさど)り、脾は後天を主る

生命活動を営む上で、五臓六腑はどれも欠くことのできないものですが、その中でも腎と脾は特に重要な役割を果たしています。

肺為嬌臓:肺は嬌臓(きょうぞう)を為す

「嬌」には、愛くるしい、なまめかしいなどの意味の他に、弱々しいという意味もあります。

脾主統血:脾は統血(とうけつ)を主る

中医学で血は、脈中を流れる赤い液体で、心身に栄養物質を運び、身体機能や精神活動が正常に行われるようににする、生命活動における基本物質と考え、現代医学でいう血液によく似ていまます。血は脈中、すなわち血管の中を流れるものであり、ここからはみ出したものは、血としてのはたらきを失います。

陰生于陽:陰は陽より生ず

中医学では、表裏、虚実、寒熱など、陰陽があらゆる理論の基礎になっています。

風勝則動:風(ふう)勝ればすなわち動ず

自然の風が吹く様子を思い浮かべて下さい。

六腑以通為用:六腑は通を以て用を為す

中医学では、現代医学の内臓に当たるものを五臓六腑(ごぞうろっぷ)といいます。五臓と六腑は性質が異なり、六腑は主に消化・吸収・排泄・運搬を行います。

髪為血之餘:髪は血の余りなり

「餘(余)」には、余りの他に延長という意味があります。中医学では、髪は血液の延長と考えられ、血液に余裕がなければ、豊かで光沢のある髪をたくわえることはできないとされています。いいかえれば、髪の乾燥、枝毛、切れ毛、薄毛、抜け毛、白髪、光沢がない、以前より髪の毛が痩せるなど、髪のトラブルは、その人の血液の状態の表れということができます。

腎主生殖:腎は生殖を主(つかさど)る

男性は8の倍数、女性は7の倍数で体が変化するというテレビCMがあります。中医学では、腎は精(せい)または腎精(じんせい)と呼ばれる生命エネルギーの源を貯蔵する臓腑で、生殖に大きく関与すると考えます。

肺為華蓋:肺は華蓋(かがい)を為す

中国ではその昔、皇帝など身分の高い人物が乗る輿には、日射しや雨、風、ほこりなどから守るために、華蓋という見目麗しい大きな傘を差し掛けていました。

胆主決断:胆は決断を主(つかさど)る

胆は六腑のひとつで肝と表裏関係にあります。肝は精神活動をスムーズにしたり、精神活動に必要な血液をストックしたり、精神と深い関係がありますが、表裏関係にある胆もまた精神活動と密接な関係があります。

寒極生熱:寒極まれば熱を生ず

中医学の基礎のひとつに陰陽論があります。自然界、人体を問わず、すべての事象は陰と陽の相反するものからなり、互いの存在を証明し、反発しあい、また相互に変化していると考えます。

風為百病之長:風は多くの疾病を引き起こす長である

中医学では、六気(ろっき)と呼ばれる風・寒・暑・湿・躁・火(熱)の6つの気候変化があります。

腑輸精於臓:六腑は五臓に精を輸(おく)る

現代医学の内臓に当たるものを、中医学では五臓六腑といい、臓と腑にはそれぞれ異なる特徴があります。

脾為生痰之源、肺為貯痰之器:脾は生痰の源、肺は貯痰の器

一般に痰といえば、かぜや肺の疾患に罹った時に、のどから出る分泌物を指します。しかし、中医学では、水分代謝異常により作られた病理産物を痰といいます。

胃強脾弱:胃は強いが脾は弱い

現代医学の内臓に当たるものを中医学では五臓六腑といい、五臓と六腑ははたらきや性質が異なります。

憂則気消:憂えば則ち気消える

中医学では、感情変化による身体への影響は、西洋医学以上に詳しく研究されています。過度や長期に渡る精神刺激は、人体の構成成分である気・血(けつ)・津液(しんえき)や、臓腑に影響し、心身の不調の原因となります。

肝腎同源:肝腎の源は同じ

中医学でいう肝・腎は下焦に位置し、肝には血液を貯蔵したり、血流量を調節する蔵血作用が、腎には成長や生殖に関連する腎精(じんせい9と呼ばれる生命エネルギーを蓄える蔵精作用がると考えます。

寒性凝滞、収引:寒の性質は凝固停滞と収縮

暖かい所から、急に寒い所に行った時のことを想像して下さい。寒さで体全体が縮こまり、毛穴も収縮して鳥肌が立ちます。長時間寒さにさらされていると、筋肉が収縮して強ばり、震えたり、肩が凝ったり、頭が痛くなったりします。

不通則痛:通じざれば則ち痛む

通じないということは停滞、渋滞があるということ。水や空気など自然界の物質はもちろん、政治、経済など社会的なもの、あるいは道路などでも、停滞や渋滞が起こると全てがうまくいかなくなります。

心主汗:心は汗を主(つかさど)る

中医学では、汗は心の液と考えます。

心主血脉:心は血脉を主(つかさど)る

中医学でも現代医学同様、心は血液、血管、血液循環と密接な関係があると考えます。

肝主筋:肝は筋(きん)を主(つかさど)る

中医学では、筋膜や筋腱など筋は肝と密接な関係があると考えます。肝には蔵血作用があり、血液の貯蔵や血流量を調節をしていますが、筋はこの血液によって養われ、その運動に応じて筋に運ぶ血流量も決定されているからです。

肝主蔵血:肝は蔵血を主(つかさど)る

レバーを調理する時には、下ごしらえで必ず血抜きを行います。これはレバーに血液を貯蔵するはたらきがあり、そのままで調理すると生臭くなって、おいしさが半減するから。いうまでもなくレバーとは肝臓のことです。

気能生血:気は血を生ずるに能う

中医学でいう気には2つ意味があります。ひとつは物質としてのエネルギー、もうひとつは臓腑機能です。

血為気之母:血は気の母なり

中医学では、人体はエネルギーや臓腑機能である気、血液である血(けつ)、体液成分の津液(しんえき)などによって構成されると考えます。

気為血之帥:気は血の帥(そつ)なり

中医学では、人体は気・血(けつ)・津液(しんえき)などによって構成されていると考えます。とは物質としてのエネルギーや熱エネルギーと臓腑の機能のことを、とは血液を、津液とは涙、汗、尿や、細胞液、骨髄液などの体液成分のことを指します。

薬補不如食補:薬補は食補に及ばず

中医学における病気の治療法や予防法には、薬・鍼灸・推拿・気功・薬膳などがあり、単独または複合で用います。同じ病気や症状であっても、年齢、性別、体質、症状など個人の特徴や、気候変化、環境など外界からの影響を考慮し、その人にあった方法で治療を行います。中でも薬膳は、中医学的食養生といい換えることができ、人間にとって最も重要な飲食による治療や予防の方法であると同時に、毎日の生活の中で自分自身で続けることが可能という特徴があります(*^_-)d