飢不欲食:飢して食を欲せず

空腹を感じるのに食が進まない。一般には胃の不調が原因と捉えがちですが、中医学では胃だけでなく、腎の機能失調も原因になることがあります。

胃は消化に直接関わる臓腑なので、食欲と密接な関係があることは明白です。中医学では、消化液のひとつである唾液は腎の液とされ、唾液や味覚の異常は腎の機能失調と関連することもあります。

胃や腎のエネルギーや体液の不足は、消化液の生成や分泌の低下を引き起こします。普通にお腹が空くのに、食べ始めると消化が追いつかず、すぐ満腹になってしまいます。ひどい場合にお腹が空くのに食べるのが厭わしくなることさえあります。

胃や腎のエネルギーや体液の不足の原因には、食餌の不摂生、ストレス、加齢、過度の発汗・嘔吐・下痢、発熱性消耗疾患やその病後、体を温めたり、冷えを取り除く温熱性の漢方薬の誤用などがあります。胃や腎のエネルギーや体液の不足では少食になるため、不足を補うことができず悪循環に陥りやすいという特徴があります。

対策としては、食餌を小分けしたり、消化が悪いものを控えるなど、消化の負担を減らすことが大事です。また、粥やスープ煮など食餌から水分を補えるようにするといいでしょう。但し、噛まずに汁気で流し込むのはNGです。

エネルギーや体液を消耗させる辛いもの、水分代謝を促進するもの、食物繊維を多く含むものは控えましょう。