実則瀉之:実すれば則ちこれを瀉(しゃ)す

漢方には、実証(じっしょう)、虚証(きょしょう)ということばがあり、日本漢方では体質を表しますが、本来の意味はそうではありません。

もともと中医学用語で、人体にとって不必要なものが停滞や蓄積した状態を実証人体に必要なものの不足がある状態を虚証といいます。中医学では現在でも、本来の意味で用います。

人体にとって不必要なものとは、気温、気圧、湿度など気候変化の影響により生じたものや、代謝以降や血行不良、ストレスなどによって生じた病理産物、この他、消化不良や便秘など消化管に停滞したものなどをいいます。これらはそれ自身が様々な症状や病機の原因となるだけでなく、新たに不必要なものを作り出したり、人体に必要なものを消耗させたり、いろいろな形で人体に悪影響を及ぼします。

不必要なものがあるなら、治療はそれを取り除くことです。この治療方法を中医学では瀉法(しゃほう)といいます。

例えば、食べ過ぎて消化不良を起こしたものが消化器に停滞すると、腹部膨満感やげっぷ、腹痛、下痢などの症状が現れます。この場合は、消化不良で胃腸に停滞した実邪を除くことで、症状を緩和、改善します。