【神】神の生成

神は精と密接な関係があります。

shen_seisei001.png腎は蔵精(ぞうせい)作用によって、受精時に両親からもらい受けた先天の精すなわち腎精を蓄えていますが、神はこの腎精から生成され、心を拠とします。

心には精神・意識・思惟活動を主宰する主神志(しゅしんし)作用あるいは主神明(しゅしんめい)と呼ばれる作用があり、これによって神は正常な活動を行うことができます。心にはや脈を主る主血脈(しゅけつみゃく)作用があり、身体同様、心血によって神も養われます。

心が主血脈作用により生成し、全身に循環させている血の余りは、肝の蔵血(ぞうけつ)作用により、肝に蓄えられ、必要に応じて運用されています。神を養うための心血が不足すれば、随時肝からストックが運用されるという訳です。肝には気血津液や臓腑のはたらきをスムーズにする疏泄(そせつ)作用もありますが、この作用によって神もスムーズにはたらくことができます。

ところで、肝腎同源・精血同源と表現されるように、肝血と腎精は互いに補い合う協力関係にあります。神を作り出す腎精と、神を養う肝血は、ここでも互いに協力しあっているのです。

また、心で生成される血の前駆物質は、脾から飲食物によって作られています。先天の精である腎精は、後天の精である水穀精微の精、すなわち脾で作られた精から補填されています。

このように、神の生成には、いろいろな臓腑が、いろいろな形で関与しています。

赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時から、音楽を聴かせたり、名前を呼んだりすると胎教にいいといわれますが、これは受精して腎精をもらう受けた段階で、既に神が生成されるからに他なりません。加齢に伴い、もの忘れなどの症状が現れるのも、有限の腎精が不足してきて、神に影響が出るのが原因のひとつといえます。月経、妊娠、授乳などで血が不足すると、イライラやマタニティーブルーなど精神面に影響が出ますが、これは肝血や心血が不足して神が養えなくなることで現れる症状です。お腹が空いていると怒りっぽくなったり、反対にぼーっとしたりするのも、二次的に神が養えなくなることが原因です。

身体と精神は切っても切れない関係にあります。