臓行気於腑:臓は気を腑に行(めぐ)らす

現代医学の内臓に当たるものを、中医学では臓腑(ぞうふ)といいます。

五臓六腑と表現されるように、人体には5つの臓と6つの腑があります。臓は生命活動に必要な気血津液(きけつしんえき)を生成、貯蔵することができますが、飲食物を取り込むことはできません。反対に、腑は飲食物の消化吸収や不要なものの排泄はできますが、気血津液の生成や貯蔵はできません。臓と腑はぞれぞれ異なる役割を担っているのです。しかし、臓と腑が互いに協力することで、私たちは正常な生命活動を営むことができます。

五臓を行る気は、六腑が飲食物から吸収したものをもとに作られます。ダイエットや偏食などで、人体への飲食物の供給が減ると、六腑が消化吸収して五臓に送るものも減るため、気の生成も低下して、臓に行る気は不足します。

臓の気が不足すると、関連する腑のはたらきにも影響が出ます。例えば、脾と胃には密接な関係があります。胃は飲食物を受け入れ、軽く消化し、下部にある小腸へ送り出します。脾は小腸で消化したものから栄養分をもらい受け、気血津液を生成します。しかし、脾の気が不足すると、胃のはたらきが低下して、飲食物の消化ができなくなったり、飲食物を下降できなくなり、すぐ満腹になったり、胃の膨満感、げっぷなどの症状が現れます。

このように臓腑は連携を保ってはたらいているため、臓の不調が腑に移ったり、腑の不調が臓に移ったりすることがあり、関連する臓と腑を一緒に治療することもあります。