精不足者補之以味:精足らざるはこれを補うに味を以てす

中医学でいう精(せい)は、生命活動の根幹を為すエネルギーのことで、腎に蓄えられているため、腎精(じんせい)あるいは先天の精ともいわれます。

精の不足は生命活動全体に及ぶため、しっかりと補うことが大事です。

人体を補おうとする時、最も重要なものは動物性、植物性を問わず、口から摂取できる食品や生薬。つまり、生命エネルギーが不足したら、ガッツリ食べて、あるいは飲んでしっかり補おう、ということです。

精を補う食品には、やまいも、くり、くるみ、黒ごま、鶏肉、鹿肉、牛すじ、豚まめ(腎臓)、ほたて貝柱、なまこ、すっぽんなどがあります。

生薬では、熟地黄(じゅくじおう)、肉蓯蓉(にくじゅよう)、鹿角膠(ろっかくきょう)、亀板膠(きばんきょう)などがこれに当たります。熟地黄は血液を補う四物湯(しもつとう)などに用いられる植物性生薬、肉蓯蓉は富士山麓などでも採れるホンオニクという滋養強作用の強い植物性生薬です。因みに、ホンオニクの採取には鑑札が必要です。鹿角膠は、鹿の角から採取したゼラチン質の動物性生薬、亀板膠はイシガメの旗甲から採取したゼラチン質の動物性生薬で、どちらも古くから滋養強壮に用いられてきました。

しかし、これら精を補う食品や生薬は、そのたらきが強い分、胃腸に負担が掛かることも。その場合には消化を助けたり、胃腸のはたらきをよくしたりする食品や生薬を併用すると、効果的に補うことができます。