【気】気の運動

気の運動の基本は昇降出入(しょうこうしゅつにゅう)です。

それぞれ上下内外の4方向に分類され、昇(上)降(下)出(内)入(外)が対になります。各臓腑には特有の気の流れがあり、これらが臓腑間で絶妙のバランスを取ることで生命活動を維持しています。

臓腑作用[運動]
昇発(しょうはつ):気を上昇させる。気持ちを高揚させる[昇]
昇清(しょうせい):水穀精微の気などを持ち上げる[昇]
和降(わこう):飲食物を下降させる[降]
宣発(せんぱつ):呼気を主る衛気をコントロールして体表を保護する[出]
粛降(しゅくこう):気や津液を下降させる[降]
納気(のうき):気を体内に取り込む[入]
蔵精(ぞうせい):精気が漏れ出ないようにする[入]

胃の調子が悪い場合、現代医学では胃を中心に検査して治療を行います。しかし、中医学では胃本体に限定せず、胃と脾あるいは胃と肝の昇降のバランスにまで目を配り、胃の不調があっても脾や肝を治療することで、症状を改善することがあります。緊張すると咳払いをしたくなったり、場合によってはえずいたりすることがあります。これは緊張によって肝の昇発が過剰になり、結果的に肺の粛降作用に影響したことが原因で、過剰になった肝の昇発を抑えることで解決できます。

喘息、特に小児喘息や加齢による喘息の場合、臨床上多く見られるのは、肺ではなく腎に問題があるタイプです。有限の生命エネルギーである先天の気の不足が原因で、腎の納気作用が低下したことにより、出入のバランスが崩れて喘息の症状が現れます。