憂則気消:憂えば則ち気消える

中医学では、感情変化による身体への影響は、西洋医学以上に詳しく研究されています。過度や長期に渡る精神刺激は、人体の構成成分である気・血(けつ)・津液(しんえき)や、臓腑に影響し、心身の不調の原因となります。

臓腑では特に肝・心・脾が影響を受けやすいとされますが、この他、各臓腑ごとに影響を受けやすい感情変化があります。例えば、「憂い」や「悲しみ」は、肺の気を消耗させます

中医学でいう肺には、現代医学でいう呼吸器や循環器系と関連があり、呼吸などの気体交換だけでなく、全身に栄養物質や老廃物の運搬するなど、全身のめぐりを調節するはたらきがあります。また免疫力や抵抗力とも関係があり、環境や気候変化に対応したり、感染症やアレルギーの発症を抑えたりします。

時代劇では、心労が祟って労咳(結核)を煩うシーンはお馴染みですが、これは憂鬱のあまり肺気を損ね、免疫力が落ちたことが原因といえます。現代医学でも、前向きな考え方をする人ほど、病気になっても回復が早く、予後もよいとされますが、これはくよくよ悩まないことで、肺気の損傷を防ぎ、全身のめぐりがよくなり、病気に対する免疫力も上がるためと考えることができます。

そして、体力の低下は肉体だけでなく、精神の栄養失調も引き起こし、意気消沈して更に肺気を消耗し、負のスパイラルに陥る結果となります。

何かと生きづらい世の中ではありますが、いろいろなことに好奇心を持って、前向きに考えることで、心身ともに元気で長生きできます(*^ ^*)