不通則痛:通じざれば則ち痛む

通じないということは停滞、渋滞があるということ。水や空気など自然界の物質はもちろん、政治、経済など社会的なもの、あるいは道路などでも、停滞や渋滞が起こると全てがうまくいかなくなります。

これは人体でも同じこと。気と呼ばれるエネルギーの停滞が起これば、胸が詰まったり、お腹が脹ったりします。血行不良が起これば、肩懲りや高血圧などが現れます。また津液(しんえき)と呼ばれる体液が停滞すれば、むくみや排尿異常、排便異常などの症状が見られます。

これら人体の構成成分は、体中を縦横無尽に走る経絡(けいらく)を通して全身に行き渡っていますが、この経絡が何らかの原因で「通じなくなる」ことで痛みが起こります。現代医学的な痛みの治療は、鎮痛剤の服用やブロック注射など、痛みの原因となる物質を抑制したり、神経の伝達をブロックするなど、対処療法が主流です。しかし中医学では、通じなくなった部分を通すことで、痛みをもとから取り除きます。

経絡が通じなくなる原因には、人体に必要なものの不足と、余分なものの局所的な停滞の2つがあります。例えば、川の水量が低下すると流れが緩やかになりますが、これが前者に当たります。過労で血液不足になると血流量が低下し、筋肉がだるさや無力感を伴って痛みますが、この典型です。反対に、川の流れを妨げる何かがあって、流れがスムーズでなくなるのが後者です。打撲など外傷では、患部に内出血が起こり、お血と呼ばれる汚い血液が停滞することで痛みが現れます。

不足、停滞とも原因は様々で、体質、食餌の不摂生、生活習慣、過労、ストレス、加齢、慢性疾患、運動不足、外傷、気候変化などがあります。これらをきちんと把握し、状態にあった方法で治療することで、根本から痛みを治療することができます。

安易な痛み止めの使用は、体が発信する不調のシグナルを無視ることにつながり、別の病気の芽を見逃したり、痛みを麻痺させることで頑張りすぎて、症状を悪化させる場合もあるので注意しましょうd(^ ^;)