気能生血:気は血を生ずるに能う

中医学でいう気には2つ意味があります。ひとつは物質としてのエネルギー、もうひとつは臓腑機能です。

中医学で考える、飲食物からの血の生成は以下の通りです。飲食物から得た栄養物質は、まず脾で営気(えいき)と津液(しんえき)に作り変えられます。これが心に運ばれ、心のはたらきによって赤い色をした血として完成した後、全身に運ばれます。余ったものは肝に蓄えられ、必要に応じて肝が血流量を調節します。つまり脾の生理機能、すなわち脾気によって血が作られていると考えることができます。

中医学でいう血の不足には、体に対する絶対量の不足と、赤血球の不足など成分のバランスが崩れたいわゆる貧血の両方が含まれます。 例えば、造血に必要な鉄分やビタミンB12が不足すると鉄欠乏性貧血が起こりますが、これは単に偏食だけが原因ではなく、肉体疲労や精神疲労、加齢などで脾の機能が低下することでも起こります。 また、血液検査では貧血と診断されなくても、食欲不振、食餌がおいしくない、すぐ満腹になる、食後にお腹が脹る、軟便など、脾の機能低下の症状があって、更に動悸、不眠、不安感、イライラしやすい、光がまぶしい、立ちくらみ、爪や髪の毛が弱くなる、女性では月経が遅れたり、量が少なくなるなどの症状もあるようなら、脾の機能低下により造血ができないと考えることができます。 このような場合は、血を補うより、まずは脾の機能を正常に戻すことから治療を行います。脾気が正常になることで、自ずと血を生ずることができ、血液不足の改善に繋がるからです。