薬補不如食補:薬補は食補に及ばず

中医学における病気の治療法や予防法には、薬・鍼灸・推拿・気功・薬膳などがあり、単独または複合で用います。同じ病気や症状であっても、年齢、性別、体質、症状など個人の特徴や、気候変化、環境など外界からの影響を考慮し、その人にあった方法で治療を行います。中でも薬膳は、中医学的食養生といい換えることができ、人間にとって最も重要な飲食による治療や予防の方法であると同時に、毎日の生活の中で自分自身で続けることが可能という特徴があります(*^_-)d

ところで、医学では生薬のことを中薬(ちゅうやく)といい、実はこの中には食品が多く含まれます。例えば、薄荷(ミント9、紫蘇葉(しそ)、生姜・乾姜(しょうが)、胡椒(こしょう)、肉桂・桂皮(シナモン)、白豆蒄(カルダモン)、山薬(やまいも)、桑椹(桑の実)、胡桃肉(くるみ)、黒芝麻(黒ごま)、小麦(小麦)、蓮肉(蓮の実)などがこれに当たります。スパイスのほとんどは中薬で、この他多数のものが中薬と食品、2つの顔を持っています(^_^*)(*・_・)

中国最古の中薬の書物といわれる『本草神農経』では、中薬を以下のように上品、中品、下品の3種に分類しています。

上品とは、無毒で長期間服用でき、命を養うもので、主に不老長寿のはたらきのある中薬をいい、菊花、枸杞子(クコの実)、大棗(なつめ)、ぶどう、薏苡仁(はとむぎ)など、食品として頂くこものも多数含まれます。

中品とは、無毒あるいは有毒で、性を養うもので、主に体力増強などのはたらきのある中薬をいい、葛根(葛粉)、百合(ゆりね)、龍眼肉(りゅうがん)、杏仁(あんず)などが含まれます。

下品とは、毒性があるものが多く、長期連用には向かない治療のための中薬をいい、附子・烏頭(トリカブト)や、下剤として有名な大黄などが含まれます。

中薬として用いられる食品が多数あるということは、食品といえども実は薬効があるということ。つまり、毎日の食餌が個人の体質や体調、季節や環境に合ってないと、心身のバランスを崩す原因になってしまうのデス!また折角、他の治療を施していても、食餌の不摂生があれば、効果が半減...どころか、もしかすると効果を台無しにしているかもしれません(T_T)

...ということは。

自分に合った食餌をすることで、病気の治癒を促したり、病気の予防が可能ということでももあります(*^ ^*)特に、エネルギー、血液、体液などの不足がある場合、これを補うにはお薬よりも食餌がイチバンです。お種人参(薬用人参)や海馬(タツノオトシゴ)など高価な生薬を飲むより、五感が楽しくなる美味しくて体に合った食餌がイチバンのお薬、というお話。